耐震とは

これからもっと必要になる‘耐震’について知ろう

耐震とは

21世紀になって考えさせられた

21世紀になってから早15年という月日が経過した。現在2015年、筆者が小学生時代に見たSFロボットアニメと同じ年になったのだと痛感しながら、時間の流れは残酷だと感じさせられるが、それは仕方のないことだろう。その一方で21世紀になれば世界は劇的に変化する、そんなことを幼少時には友達などとはしゃいでいたものだが、実際に何かが目に見えて変化した形跡など感じられることはない。ただ時代の折り目に立ち会ったというだけで、驚異的な文化レベルが誕生したといったこともなく、いつもどおりの日常が過ぎていると感じている人も少なくない。勿論一般市民の知る由のない機械工学を始めとした学問の世界では常に最先端の技術が開発され、実用段階にこぎつけられるよう日々研究が重ねられている。ロボットと話したが、今ではそのビジョンも明確に見えてきたとも言われているほど、技術革新が驚異的な進歩で発展している事は間違いない。我々の生活レベルでもそんな工学技術の先端レベルを垣間見れる瞬間といえば、大手検索エンジンのグーグルなどはアナリティクスエンジンに人工知能を搭載しているなどとも言われている。こうして考えると科学技術がこんなにも発展し、いつしか本当に夢にまで見たような生活環境が誕生するのも、そう遠い話ではないのかもしれない。

希望的観測としてみれば21世紀は人類の輝かしい歴史だと認識することも出来るが、そんな中で日常を脅かす、誰もが疑問に感じたこともなかった問題が浮上する。『耐震偽造』、この問題が取り分け大きな論点となり、社会的関心を集め、さらには社会問題にまで発展したのもまた21世紀のこと。技術レベルが格段と上がっている中で登場した耐震偽装と言う問題、人によっては瑣末だと感じる部分もあるかもしれないが、そんなレベルの話ではない。これからの時代だからこそ耐震、ひいては自然災害に対する備えをしっかりとしておきたいと思うのが正解だろう。

90年代当初、問題の二文字も出なかった建築における『耐震問題』、新たな時代を迎えたからこそ先進的な技術に捕われる事無く、基本からしっかりと見直していかなければならないのだろう。ここではそんな点にも気を払いながら、建築において重要視しなければならない『耐震』について考察していく。

調べた人も多いはず

耐震という言葉を耳にするようになったことで、多くの人が自分の持ち家はどうなんだろう、またマンションは大丈夫なんだろうかと調べようとした人もいるはず。耐震問題が発生したのは今から8年前の2005年、21世紀になってから4年も経過して、インターネット技術も徐々に発展して行く中でまさかの原点を根本から疑わざるを得ない事件だったこともあり、社会的関心が急激に注がれることとなった。当時のことを考えると、確かに筆者も色々と忙しい時期ではあった頃だが決して他人事ではない問題に立ち会っている事実だと認識しながら、動向を見守ったものだ。ただこの頃は情報について錯綜している部分が否めない所もあったため、中には作為的に仕込まれた悪意ある情報も蔓延するような、混沌としていたことも冷静になって考えると理解出来る。

それだけ関心が高いこと、そして宣伝文句としては十分だとマスコミは睨んだことだろうが、明らかな与太話にはさすがに耳を傾けるのは良くない。真実こそ見えてこないが、やはり目の前にある情報が正しいかどうか、疑問を持つようにするようにはしたいところ。

話がドンドン反れてしまうので軌道修正すると、2005年に起きた『耐震偽装事件』もとい、『構造計算書偽装問題』において話題となり、応用的技術ばかり見ていた人々に寝耳に水だった『耐震』という言葉が浮かび上がってきた。知識のある人はもちろん耐震に対して幾らかの対策は施してあるだろうと思っており、疑問に思う事無く暮らしていた人が大半のはず。その中で建物における骨組みの中で重要な部分に、建築基準に違反するような要素があるとは考えもつかない。しかし結果として事件が起きたため、まずは耐震について知らなければならなかった。

しかし専門家ではない、全くの一般人からして耐震という言葉も馴染みがない、ニュースで言われている内容も分からないといった人は、当然自分なりに理解できるように調べるところから始めなければならない。


耐震とは

まず最初に事件でのキーワードともいえる『耐震』についてだが、辞書的な意味を調べてみると、

・地震の揺れに耐えられるように構造などを補強する作業

という風に定義している。至極当然な意味合いとなり、こうした作業は住宅建築を含めたあらゆる建築物に対して行なわれていると考えていた人も多いはず。もちろん建築に関する法制度が整えられる前の建物についてはそんなことまで考えていたとは言えず、あくまで現代期における建築常識という風に見るべきだろう。

ただ耐震といっても耐えられる限界点が存在している、国土交通省における取り纏めにおいて耐震とはつまり、『中規模の地震に対して建物に大きな損傷が生じない』ということに焦点が当てられる。中規模、という言葉を聞いてどの程度の地震が対象なのかという点も疑問に感じる部分であって、全体的に曖昧な強度を表している感が拭いきれない。

こうして考えると受け取り方は人それぞれ、筆者のように霞に掛かったような耐震説明を聞いてはっきりと輪郭をつかめる人も、そう多くはないはず。ただ法で定められている以上はそれが正しいものだという見解が取られているため、否定しようもない。

人々にもたらした影響

事件についての概要は後ほどゆっくりと紹介するとして、この事件をきっかけとして建築に対して疑問を持つようになった事はまず一番初めに思うところだ。そしておそらく誰もがそんな基本的な部分を手抜き工事している可能性があったのかと、不安に駆られてしまった人は日本全国で言えば多いといえよう。問題に立ち尽くして自分たちにどんなことが出来るのか、そこを考えなければならないわけだが、注意する点として、耐震作業をしておくことで地震から身を守ってくれるといった考えは持たないようにしよう。これは先に話した法制度における耐震概要に見られた曖昧な内容が関係している。

耐震をしても地震から完全に身を守ってはくれない、なら耐震とは何なのか、その本質についても建築学的に把握しておかなければ無用な誤解を受けてしまうため、少し説明していこう。


中古住宅で賢くリフォーム